21日に東京競馬場で開催されるオークス(G1)。
リバティアイランドが「ド本命」
3歳牝馬最強を決める伝統のレースだが、今や牡馬とも実力差がなくなった時代、翌週の日本ダービーとも遜色のない重要なレースと言える。
今年は阪神JF、桜花賞と圧倒的な末脚で連勝したリバティアイランドが「ド本命」の状況であり、過去このレースを制したアーモンドアイやデアリングタクトら名牝と同等の扱いを受けることになりそうだ。
新世代の女王に注目が集まる中「この男」にもやはり世間の目が注がれている。それが武豊騎手である。
武豊騎手は3戦1勝のソーダズリングで出走予定。前走フローラS2着によりオークスの優先出走権を得た。3度の出走で掲示板を外したことはないが、伏兵の域を出る存在ではない。
また、意外かもしれないが、武豊騎手は実はオークスに「縁遠い」男である。
実は武豊騎手が最後にオークスに勝ったのは1996年のエアグルーヴと27年前。1998年にスペシャルウィークで初優勝した日本ダービーは合計6勝しているが、オークスは1993年のベガ、1995年のダンスパートナー、そしてエアグルーヴの3勝だ(それでも現役ではC.ルメールと並んでトップタイだが)。元号を股にかける名手としてはやや物足りないところではある。
また、一部の競馬の記者は「そもそも牝馬のレースは……」と口を濁す。
積極的な競馬で“マジック”を
「オークスに限らず、武豊は牝馬限定G1は近年勝利していません。2009年ウオッカでヴィクトリアMを勝利して以降、中央の牝馬G1は縁がないんです。リスグラシューのヴィクトリアマイルやら惜しいのはけっこうあるんですが勝利には届かないというパターンも。
今回のオークスはリバティアイランドの1強状態で厳しいのは事実。しかしこの馬はここまですべてマイル戦であり、2400mは未知の領域。マイル戦のみを戦って桜花賞を制した馬のオークス勝率は30%未満に過ぎません。後方からの強烈な末脚が武器ですが、2014年のハープスターのように届かず、というパターンもあるでしょう。
ソーダズリングは先行馬。積極的な競馬で“マジック”を起こしてほしいです」
実は「女に弱い」武豊騎手だが、50歳を超えてなお大舞台で存在感を残す手腕は変わらず。今年の大阪杯をジャックドールで逃げ切ったように、先手先手のレースに期待したい。
(文/堂島俊)