6月4日(日)に東京競馬場で開催される安田記念(G1)。
大阪杯を勝利したジャックドール
現在、一部メディアで「想定の出走馬」が紹介されている。今年の大阪杯を勝利したジャックドール、昨年のマイルCSを制したセリフォス、先日のヴィクトリアマイルを制した前年覇者ソングライン、白毛のG1ホースソダシ、未完の大器シュネルマイスターらが出走予定だ。
マイル戦線を中心に戦うメンバーが一堂に会するということで大いに盛り上がりそうだが、注目されるのは武豊鞍上のジャックドールだろう。念願のG1ホースとなったが、デビューから一貫して2000mを走っており、マイル戦は今回が初となる。
2000mのみというのは案外珍しいが、モーリス産駒であることを考えればマイル戦を主戦場にしてもおかしくない。父はマイル戦を中心に走り、競走生活晩年に中距離に参戦しこちらも結果を出した。ジャックドールはその逆ということになる。
ジャックドールの強さ次第で予想の見解も変わってきそうだが、今回はメンバーが非常に強いため、取捨に迷う部分もあるだろう。
理由としては、ジャックドールが主に「逃げ・先行」で結果を出してきた点だ。大阪杯はもちろんのこと、これまでのレースにおいて、第二コーナー時点で5番手以下でレースを進めたことはただの一度もない。
当然だがマイル戦は2000mよりも序盤のスピードが速くなるため、恐らくジャックドールは逃げはもとより、2~3番手はとれないのではないか、というのが大方の見解だ。
昨年の札幌記念で3~4番手で勝利、天皇賞・秋も同じく4番手でレースを進めて4着と一定の結果を残しているが、マイルとなると「差し馬に転換」となる可能性もあるのではないか。
グランアレグリアのように絶対的な存在がいない
無論、もとより高いスピード能力を有し、器用さも持ち合わせるジャックドールだけに、マイルでも簡単に順応できる可能性は充分にあるだろう。ただ、これまで2000mしか走ったことがない実績が「開けてビックリ」の状況を作り出している。
「マイル戦線は強豪ぞろいですが、かつてのグランアレグリアのように絶対的な存在がいない状況。自信があるからこその参戦でしょう。大目標は天皇賞・秋でしょうが、マイルでも一度使うのはいいかもしれません。宝塚記念は馬場が悪くジャックドールには難しいレースになりそうですし。
後は武豊騎手がどんなレースを選択するかですね。過去3勝していますが、ウオッカで2009年に勝って以降は馬券に絡めていません。近年は相性の良くないレースですが、手綱さばきにも注目が集まります」(競馬ライター)
ジャックドールがどんなレースを見せてくれるのか、楽しみだ。
(文/堂島俊雄)