8日、奈良県で安倍晋三元内閣総理大臣を背後から銃撃して殺害、その場で現行犯逮捕された山上徹也容疑者。
母親が団体にのめり込み…
41歳である山上容疑者は奈良県警の取り調べに「安倍元首相の政治信条等ではなく、態度に不満があった」などと供述している、と逮捕当初は情報が出ていました。
ただ時間が経つとより情報は具体的になっており、NHK等によれば『捜査関係者によりますと、この団体について『母親が団体にのめり込み、多額の寄付をするなどして家庭生活がめちゃくちゃになった』という趣旨の話をしているということです。』など、その“団体”と安倍元首相のつながりが深いと思い込み、犯行に及んだと語っています。
政治的な理由ではなく、特定の団体に対する恨みの“流れ弾”で山上容疑者は犯行に及んだ、と解釈もできます。各方面で叫ばれる「民主主義への挑戦」や「言論弾圧」とは大きく動機が異なるということになるでしょう。
また、メディアとしても扱いが難しいところかもしれませんが、表現もコロコロと変化しています。
最初は『宗教団体』と表現
「最初は『宗教団体』と表現されており、その後『特定の団体』に変わっています。より広い意味にして受け取る側が無用な攻撃をしないように、特定できないようにという考えかもしれませんが、結果的に『なぜ表現を変えたのか』という疑問を抱かれるに至っています。
作家の平野啓一郎さんも『容疑者は「特定の団体」という表現は使ってないだろう。伏せずに報道すべき。』と語っていますが、同意する人が多いのも当然です。他にも『宗教が団体に代わってる。団体名をちゃんと報道しろよ。』などの意見もあり、すでに統一教会の名前などが取りざたされています。あらぬ憶測も出る可能性があるので、伏せるか公表するのかは難しいところですね」(web系記者)
メディアが対応に苦慮するのも当然の出来事ではありますが……。
(文/田中陽太郎)