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武豊「ファントムシーフの方が強い」論と日本ダービー「ルメールのスキルヴィング選択の」意味…伝統の“呪い”と未知数の血統の魅力とは

発行責任者 (K.ono)

 28日に開催される競馬の祭典・日本ダービー(G1)。

「現役最強ジョッキー」C.ルメール

 今年は皐月賞を圧巻の末脚で制したソールオリエンスが中心になるが、鞍上の横山武史騎手が「皐月賞の前に〝完成するのは秋〟と言いましたが、それは間違いで、秋ではなくて古馬」ともメディアに語っているように、まだまだ未知数な部分もある。皐月賞が重馬場だったことを考えても、パンパンの良馬場になった府中のターフでどんなレースが展開されるのかは読めない部分もある。

 そうなると、ライバルたちの動向も気になるが、やはり注目は「現役最強ジョッキー」C.ルメール騎手だ。勝ち鞍数こそ年間200勝超ほどではないが、大舞台での勝負強さは相変わらずだ。今年も天皇賞・春でジャスティンパレスを見事な騎乗で勝利に導いている。

 そんなルメール騎手が今年の日本ダービーで注目されているのは「2頭の選択」だった。皐月賞3着のファントムシーフ、そして先日の青葉賞を快勝したスキルヴィングである。

 すでにファントムシーフが武豊騎手鞍上で日本ダービーを迎えることが決まり、17日にはスキルヴィングを所有するキャロットクラブがホームページでルメール鞍上を発表し、鞍上問題は解決している。

 状況的にはルメール騎手がスキルヴィングを「選んだ」という形になっている。実際に皐月賞3着とはいえソールオリエンスには完敗しているため、別の馬で、となるのは自然の流れだろう。

 ただ、だからとってスキルヴィングが日本ダービーでファントムシーフを上回れるかはかなり怪しい、と競馬関係の記者は語る。

『青葉賞馬に日本ダービーを制した馬がいない』

「大前提として『青葉賞馬に日本ダービーを制した馬がいない』という長年のジンクスですね。ここまで例外がないジンクスも珍しく、ルメール騎手であっても“勝ち”はないのでは、との見方が強まっています。

ファントムシーフは皐月賞で落鉄があったとの情報もあり、一週前追い切りも抜群。実力のすべてを出していないという見方もあります。さらに“ダービー男”武豊騎手となれば注目度が高まるのも自然です。

昨年はドウデュースとイクイノックスで火花を散らした2人ですが、今年もソールオリエンスを差し置いて一騎打ち、ということもあるかもしれません」

 近年は「ルメール→武豊に乗り替わり」という例も少なからずあり、同じエージェントと契約を結んでいる点が大きいのは言うまでもないところ。それだけにこの2人の動向がより注目されるというわけだ。

 ファントムシーフの方が上、という意見もあるが、血統面で未知。スキルヴィングは能力の高さはあるが“青葉賞の呪い”が気になる……一長一短である。
(文/山田純一)