28日、東京競馬場で行われた競馬の祭典・日本ダービー(G1)。
落馬、急性心不全…
7000頭以上の同い年牡馬の頂点を決めるJRAの最重要レースとして毎年最大級の注目を集める。今年は4番人気タスティエーラが早めに抜け出し、皐月賞馬ソールオリエンスの追撃を振り切って優勝。オーストラリアの名手D.レーン騎手が初の日本ダービー制覇を達成した。
ただ、残念ながら注目を浴びているのは勝利馬よりもレース周辺で起こった諸々の出来事だった。スタート直後に17番ドゥラエレーデが大きく躓き、坂井瑠星騎手が落馬。ゴール直後には2番人気スキルヴィングが17着入線後に倒れ、そのまま動けず馬運車に。その後急性心不全での死亡が発表された。
何とも後味の悪い日本ダービーとなってしまったが、レースそのものにも不満の声が多い。前半1000m60.4と平均ペースで、後半までペースは変わらず。結果的にラスト3ハロンの“ヨーイドン”になってしまった。1~3着が最後の直線で6番手以内の仕方なしだろう。
競馬関係の記者も「例年になく良くないダービーになってしまった」と残念がる。
『次に走れば全く違う結果になりそう』
「ドゥラエレーデの落馬自体は非常に大きな躓きだったので致し方ありませんが、18番サトノグランツをはじめ外枠の馬には少なからず影響がありましたね。あの時点でガタガタになってしまった馬もいた印象です。スキルヴィングに関しては残念としか言いようがありません。
レース自体も『次に走れば全く違う結果になりそう』なレースで、世代の力関係がハッキリするようなレースではありませんでした。一番うまく立ち回ったタスティエーラが勝利した、という印象が強いですね。結果的に皐月賞、日本ダービーと1.2着は同じ馬が入れ替わっただけなので、2頭が強いというのは間違いなさそうですが……。
オークスはリバティアイランドが6馬身差圧勝で世代最強を証明し、2着ハーパーを含めパフォーマンスも明らかに上でした。牡馬は中距離戦線が得意そうな馬が多いですが、秋にイクイノックスやドウデュースなど最強クラスと勝負になるのかというと、疑問が残ります」
今年の世代は「リバティアイランド1強」というのがハッキリしてしまったようだ。いずれにせよ、残念な日本ダービーになってしまった面は否めない。
(文/堂島俊雄)