28日、東京競馬場で行われた日本ダービー(G1)は、さまざまな出来事が起こったレースだった。
鞍上の坂井瑠星騎手が落馬
スタート直後に17番ドゥラエレーデが大きく躓き、鞍上の坂井瑠星騎手が落馬。レース直後には2番人気だった2番スキルヴィングが17着入線直後に倒れ、そのまま馬運車で運ばれ息を引き取るというショッキングな事故も起こってしまった。
レースはタスティエーラが勝利したものの、それ以外の部分で注目をされてしまった残念な日本ダービーだったと言わざるを得ないだろう。
一方で「ほほえましい」「賢い」という評価を得たのが、落馬したドゥラエレーデだった。
ドゥラエレーデ自体は落馬後もレースに参加(?)し、ゴールまで入線した。もちろん日本ダービーには何ら関係のない結果ではあるが、無事にレースを終えた点は良かったと言えるだろう。
注目されているのは、ドゥラエレーデの「ゴール後」の動きだ。
一緒に入っていく『誘導』まで
「同馬はレース後、自分でターフから折り返しダートコースに入っていきました。しかもその後しっかり地下馬道まで入っていたんです。
他の動きを見ながら一緒に移動し、地下馬道の入口では一度立ち止まり、その後他馬が来るのを待って一緒に入っていく『誘導』まで見せるなど、まるで人間のような動きを見せていたのです。他馬に跨るジョッキーたちも何ら心配いらない雰囲気で一緒に歩いていたのが印象的でした。
ドゥラエレーデの動きを追いかけた動画があるんですが、すでに再生回数は100万超になっています。ファンからは『すごい』『馬ってこんなに頭がいいんだ』『かわいい』など大反響です。
ドゥラエレーデは昨年11月の東京2歳Sで東京競馬場で走っていますが、半年近く前の話なので『覚えているのか』『周囲の動きを見ていたのか』などさまざまな声があります。いずれにせよ、競走馬の知能を垣間見る瞬間だったと言えるでしょう」(競馬ライター)
ドゥラエレーデは昨年のホープフルSを制し、その後ドバイのUAEダービーに出走し2着に入るなど才能あふれる馬。今回は「外野」で盛り上げたが、レースでの活躍に期待したい。
(文/ジョージ与田)