4日(日)に開催されるマイル頂上決戦・安田記念(G1)。
牝馬マイルG1を3勝
今年はセリフォスやジャックドール、ソングラインと例年以上の好メンバーが集まるということで、大きな注目を集めている。その中でも特に「さまざまな意味」で注目されるのが、白毛の牝馬ソダシだ。
予想オッズでは1番人気に推す声もあるが、実力としては文句なし。ここまで阪神JF、桜花賞、昨年のヴィクトリアマイルと牝馬マイルG1を3勝。牡馬相手でも2021年の札幌記念を勝利し、昨年のマイルCSでも3着と互角の戦いを繰り広げている。
前走はD.レーン騎手で2着だったが、それ以外の14戦はすべて“元”主戦の吉田隼人騎手が手綱をとってきた。ここまですべての勝利は隼人騎手によってもたらされたものであり、昨年最後の2レースも馬券圏は確保していた。それだけに「なぜ乗り替わりなのか」という声も多くあがっていた。
今回の安田記念も川田将雅騎手に乗り替わりでの参戦。完全に「コンビ解消」であるとファンも認識している。片や豪の天才として今年の日本ダービーを制した名手、そして次は現在のJRAリーディングジョッキーと、なりふり構わず勝利を狙っているのがわかる選択だ。
長らくコンビを続けてきた隼人騎手を降ろしてまで勝ちに行く……オーナーサイドや陣営としては当然の選択ではあるが、隼人騎手が直近で惨敗を続けてきたわけではないだけに、このタイミングでの乗り替わりには明確な理由がありそうだ。
考えられるのは、管理する須貝尚介厩舎の“事情”だ。実は、ソダシを担当している今浪隆利厩務員が今年の9月で定年を迎える。
9月というともう少し先になるが、春のG1は6月まで、秋のG1も9月末~10月までないと考えると、今浪厩務員にとって今が「最後のG1シーズン」となる。有休消化の関係もあるだろう。
モーリス、サトノアラジン、ダノンキングリーで3勝
長らくソダシを担当している厩務員の最後の花道を勝利で……陣営の思惑があったとしても間違いない。
「無論、ソダシがこの1年勝利がない中で変化を求めたということもあるでしょう。強さは見せるものの勝ちきれない、という状況が続いていますから。金子真人オーナーはシビアな部分もあるので、トップジョッキーでの結果を見たいということでしょう。
川田騎手はモーリス、サトノアラジン、ダノンキングリーで3勝と定期的に勝利する得意の舞台です。勝利のために万全を、ということかもしれませんね」(競馬誌記者)
好メンバーだからこそ、ソダシが勝利すればより価値も高まる。白毛のアイドルホースが牡馬をなぎ倒すのか注目が集まる。
(文/堂島俊雄)