日本の競馬界、JRAは3兆円以上もの売上があり、世界の競馬でも屈指の人気と規模を誇る。
シンガポール競馬が廃止
一方、海外の競馬は権威性こそ日本より上だが、売上の面では日本とは比較にならないほど低い。開催を維持するのが難しい状況の国も少なくない。
そんな中、来年10月でシンガポール競馬が廃止になることがわかった。
同国の競馬はかつてコスモバルクやシャドウゲイトがシンガポール航空国際C(G1)を制したこともあるなど、日本競馬とも関連があった。2011年にはシンガポールと香港で活躍した短距離馬ロケットマンが来日。スプリンターズS(4着)に出走した。
海外での報道によれば、同国競馬はカジノとの集客争いや新型コロナウィルスにおけるレース中止などで苦戦を強いられたことが大きかったという。
日本でもこの報道は大きく取り上げられ、残念がる声は決して少なくない状況だ。
そして、他国の競馬もこの状況に続いてしまうのではないか、と言われている。
イタリア競馬もかなりまずい
「すでにイタリア競馬もかなりまずい状況にあると言われています。2020年に格付けがパート2国に降格しました。生産頭数も年々減少しており、こちらも存続の危機と言われています。L.デットーリやM.デムーロ、C.デムーロ兄弟などを輩出した伝統ある競馬の国なのですが、運営は苦しいようですね。
給料の支払いも何カ月も遅れていますし、マフィアとのつながりも指摘されているようですが、国の財政やプロモーションの不足などもありそうです。
欧州や米国の競馬も日本と比べれば安泰には程遠いものがあります。直近でどうなるはないでしょうが、20年後、30年後どうなっているのかは見えません。日本競馬はカジノ解禁でも起こらない限り安泰でしょうし、そもそもプロモーションがうまい。格が違うという印象です」(競馬誌記者)
M.デムーロら外国人騎手の多くが「日本の競馬は世界一」と語る。それは多角的に見ても事実なのかもしれない。
(文/堂島俊雄)