今年の高松宮記念(G1)を制したファストフォースが現役を引退することが8日にわかった。
優勝に導いたのが、5年目の団野大成
今後は北海道日高郡新ひだか町のアロースタッドで種牡馬となる予定。主な勝利は2021年のCBC賞と前述の高松宮記念で、通算成績は29戦7勝。成績を見ると種牡馬としてはやや物足りない部分もあるが、ロードカナロア×サクラバクシンオーというスピード血統が評価された形だろう。この時期での引退はやや珍しいが、有終の美での引退となる。
ファストフォースは12番人気ながら高松宮記念を制している。例年荒れやすいレースではあるが、千載一遇のチャンスを活かした格好だ。種牡馬入りができたのもこの勝利が大きい。
ファストフォースを優勝に導いたのが、5年目の団野大成騎手である。若手の中でも頭一つ抜けた存在であり、初のG1制覇も達成。いいお手馬も増えていたのだが……。
先日、団野騎手が鞍上のはずだった宝塚記念のジェラルディーナが、突如武豊騎手に乗り替わることに。急遽の予定変更に驚きの声が多数だったが、理由はジェラルディーナを管理し団野騎手が所属する斉藤崇史の調教を寝坊で遅刻し激怒された、というものらしい。
斉藤調教師の所属馬は全馬乗り替わりとなったのだから、その怒りは相当だ。期待値が非常に高かっただけに、今後の団野騎手の成績も心配されている。
さらに「泣きっ面に蜂」な出来事が……。
続々と有力馬が引退
「5月26日付で斉藤厩舎のステラリアが引退しました。同馬は団野騎手で福島牝馬Sを勝利し、先日のヴィクトリアマイルにも団野騎手で出走しています(9着)。
ファストフォースに続きお手馬が次々と引退、所属厩舎の馬には乗れずというのは若手騎手としてはかなり痛いところです。
団野騎手の素行は関係者の中でも言われており、他厩舎からも有力馬が来ることは減るでしょうね。『今後G1で見る機会がないかもしれない』とまで言われています。自己管理ができるベテランや中堅はたくさんいますからね」(競馬誌ライター)
あまりにもダメージの大きい寝坊。団野騎手の復活は当分先かもしれない。
(文/山田倫)