※画像は「JBISサーチ」より
春のG1戦線の最後のレース、宝塚記念(G1)が近づいています。今年は20頭がエントリーし、その中には8頭のG1ウイナーが揃うという豪華なメンバーです。
ドバイで驚異的な走り
このレースで断然の1番人気が予想されているのは、昨年のJRA年度代表馬であり、G1を3連勝中のイクイノックス(牡4歳、美浦・木村哲也厩舎)です。昨春は皐月賞(G1)と日本ダービー(G1)で2着に惜敗しましたが、秋になって本格化しました。天皇賞・秋(G1)では待望のG1タイトルを獲得し、その後も有馬記念(G1)やドバイシーマクラシック(G1)でも勝利。
そんな中、気になるのがイクイノックスの前走での初の海外遠征だ。そのレース内容は信じがたいものだった。
イクイノックスは従来差しの競馬をしてきたにもかかわらず、先頭に立ちました。逃げのまま後続を引き離し、直線に入るとスピードを上げ、ラストまで余裕を持ってゴールイン。世界にその力を示しています。
当然ながら、強豪相手に3馬身半差をつける圧倒的なレコード勝ちは素晴らしいの一言に尽きます。
一方で「ハナを切った」という点が、気になる部分ではあります。
「1回逃げてしまった馬は我慢が利きづらい」
「1回逃げてしまった馬は我慢が利きづらい」という言葉を発した関係者がいます。
これは、福永祐一騎手(現調教師)が2年前の宝塚記念前に行われた『カンテレ競馬』インタビューで述べたもの。この言葉は、前走で逃げたイクイノックスにも合致します。数多くの有力馬に騎乗してきた福永騎手の発言には説得力があります。
また、ルメール騎手がドバイで逃げた理由を明かす記事があります。
初めてのナイター競馬とスタンドの音
競馬ライターの平松さとし氏が執筆した記事で、ルメール騎手はドバイで逃げた理由について「初めてのナイター競馬とスタンドの音に気を取られていたため」と語りました。また、イクイノックスの折り合い面に不安を感じていたため、控える競馬よりも「逃げ」を選んだとのこと。ルメール騎手は当日の馬の状態を考慮しレースに臨んだということでした。。
今回の競馬は新たな環境で行われるため、イクイノックスの集中力が前走と同様に欠ける場合、逃げる可能性もあります。また、1強ムードで迎えるため、他陣営からの厳しいマークも予想されます。ルメール騎手がどう対応するかが注目されます。
(文/堂島俊)