「週刊女性」(主婦と生活社)が報じた「生活保護を受けながらホスト通いの女性」がネット上で話題を呼んでいます。
パパ活や援助交際で金銭を稼いで
同誌では、ホストで月に250万円を散財しながらも、生活保護を受給する女性を紹介。彼女はYouTubeのインタビューにも出演しており、以前からちょっとした話題になってはいました。今回大手週刊誌が報じたことで、より注目されています。
この女性は生活保護を受給しつつ、パパ活や援助交際で金銭を稼いでそれをホストにつぎ込む生活をしているようです。誰もが「受給が打ち切られないのか」と考えるところですが、軽度の知的障害と統合失調症があり、実家との縁も切れているため、行政としてもなかなか打ち切りに踏み切れない事情もあるようです。
この女性はややレアケースというべきか特殊ではあるかもしれません。しかし、似たような話はそこら中に転がっているのではないでしょうか。
10人に1人がパパ活を経験
ネットメディア「しらべぇ」の以前の調査では10人に1人がパパ活を経験しているという結果もあり、そこから受け取る金品について税金を払わない例も多く見受けられます。パパ活女性の多くは何かしらのアプリに登録しているため、アプリ会社に税務調査が入った場合に情報を辿られて女性に税務調査が入る場合もあるようですが、アシがつかないようにしている女性も少なからず存在するでしょう。
パパ活(売春と定義が曖昧ですが)で成功(?)している一部の女性は、男女問わず一般会社員の年収を大幅に上回る場合もあるようですが、何より「食事や性行為だけでお金がもらえる」という圧倒的な“コスパ”に惹かれる女性が増えているということです。
国民の平均年収が400万円程度とされ、女性だけに限ればさらに減少する現代。(ささやかな)やりたいことや欲しいものを実現するためにどれだけ働けばいいのか……パパ活は日本社会の中で必然的に生まれたものと言えるかもしれません。
貧困が蔓延する中、パパ活や性風俗で生計を立てようとする女性も増えていますが、作家の橘玲氏の著書「無理ゲー社会」(小学館新書)では、性風俗で働く女性が「供給過多」になり、過酷な労働ながら稼げる女性も一握りになってきているという事実もあるようです。
特に都市部のような生活コストの高い地域では働くことで得られる果実があまりにも少ない、もしくはそもそも働く場所や環境にないという人も少なくはないのです。
今回のホストに貢ぐ女性は極端ながら、それを完全に否定できない、あるいは共感してしまう人がいるのもまた現実なのかもしれません。
(文/谷口譲二)