サイバーエージェントは、本日(17日)東京地裁において、コナミグループが人気ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」において特許侵害を行っていると主張し、損害賠償およびサービスの差し止めを求める訴訟を提起したことを発表しました。
「パワプロ」の一部システムと「ウマ娘」
サイバーエージェントによれば、ゲーム開発子会社のCygamesは「ウマ娘」のゲームシステムやプログラムの一部について、コナミデジタルエンタテインメントと特許に関する協議を行ってきましたが、双方の意見が一致せず、サイバーエージェントの主張は受け入れられなかったとのことです。
損害賠償請求額は40億円であり、サイバーエージェントは特許権の侵害はないと主張し、訴訟によって争う姿勢を示しています。現時点では業績への具体的な影響は予測できないとしています。一部ではコナミの野球ゲーム「パワプロ」の一部システムと「ウマ娘」の類似点について、という情報があります。
現時点では、具体的な特許侵害の内容については詳しい情報が得られていません。一般の視点から見ると、パワプロのとウマ娘の類似性が思い浮かびますが、単にゲームの性質が似ているだけであれば、巨額の訴訟を起こす理由とはなりません。特許侵害の問題は、微細な部分において完全な一致があるとコナミが判断した可能性がありますが、具体的な報道が待たれる状況です。
「ウマ娘」はCygames発のゲームの中でも特に人気と話題性を持つ作品であり、仮にサービス差し止めとなれば企業のイメージ、そして売上にも少なからず影響があるはずです。サイバーエージェントの藤田晋社長はメディア出演も多い著名人ですが、最近はカタールのサッカーW杯全試合放送などでも話題になり、世間の評判は上々でした。
この件に関し、メディア界隈に精通する記者は次に用に話します。
JRAにとっても痛い?
「サイバー、そして藤田さんがABEMAやW杯の放送など多額の投資を行えるのも、本業である広告、そしてゲームの存在が大きいことは間違いありません。ウマ娘が差し止めにならなくても、裁判に負けて自由なゲーム開発に一定の制限が出てしまうのは痛いでしょうね。以前ABEMAで『会社は学校じゃねえんだよ』というオリジナルドラマがありましたが、そこで主人公が追い詰められたのもアプリの特許侵害でした。リアルに同じ状況になったといいますか。
また、ウマ娘のおかげでファン層が増えたと言われている競馬界やJRAにとっても歓迎すべき情報ではないでしょう。競馬に興味のない層や世代に極めて強いリーチを持っていましたからね。今週はオークス、来週は日本ダービーとG1真っ只中なので残念と言えば残念です」
今後の展開が注目される。偶然のものか悪質かによって世間の印象も大きく変わりそうだ。
(文/道頓堀憲政)