6月4日に開催される安田記念(G1)。今年はマイル戦線の強豪が一堂に会するということで、大きな注目を浴びている。
横山武史騎手とD.レーン騎手
G1ホースが多数出走するとあって注目度は当然高いわけだが、この数週火花を散らしている「2人のジョッキー」にスポットを当ててみたい。
それが、横山武史騎手とD.レーン騎手である。
2人は先週の日本ダービーで激しく火花を散らした。横山武騎手は1番人気ソールオリエンスに、レーン騎手は4番人気タスティエーラに騎乗。結果は好位から抜け出したタスティエーラが優勝、ソールオリエンスは最後の最後に脚を伸ばしたがクビ差の2着に敗れた。
ギリギリの戦いでレーン騎手に軍配が上がったが、騎乗のスムーズさで横山武騎手を上回ったのは事実だろう。横山武騎手は中団でやや包まれ気味で持ち味の末脚を爆発させるタイミングが遅れた部分もあった。
明暗分かれてしまった2人だが、実はその前にも因縁が。それが先日のヴィクトリアマイルである。
ヴィクトリアマイルでは、レーン騎手はソダシに騎乗。スタート直後に大きくヨレ、他馬を妨害。レースは2着だったが過怠金を払うこととなってしまった。そしてその妨害の対象となってしまったのが、横山武鞍上のナミュールだった。
ナミュールは2番人気で7着。横山武騎手は「あんな不利をくらっては走る馬も走りません。落馬しなくて良かった」と怒りを隠さなかった。
5月に入って2度「激突」した2人。今回レーン騎手は昨年のマイルCS王者のセリフォス、横山武騎手は同じくナミュールに騎乗する。
『運』や『不利』を持ち出すことも
セリフォスは国内マイル戦ではトップクラスの力を有するが、前走ドバイターフでは5着。海外帰りの疲れも気になるところだ。ナミュールは不完全燃焼だった前走は別として、G1、G2で上位に食い込んできた実績もある。
現状またも「レーン有利」な状況ではあるが、横山武騎手は一矢報いることができるのだろうか。
「ハイレベルなメンバーですので2人に限らず上位進出は並大抵ではありません。横山騎手に関して言うと、最近は敗戦の弁で『運』や『不利』を持ち出すことも多いので、メンタル部分を不安視する声もあります」(競馬誌記者)
2人の対決に注目だ。当日が楽しみである。
(文/堂島俊雄)