7日に大井競馬で開催された南関クラシック第2戦の東京ダービーは、単勝1番人気に支持されたミックファイアが御神本訓史騎手を背に6馬身差の圧勝、見事無敗の南関東二冠を達成した。
7月のジャパンダートダービーでの三冠
道中2番手でしっかり折り合い、最後の直線では他を突き放す一方。大井所属馬の中では抜きん出た能力を示しており、7月のジャパンダートダービー(JDD)での三冠も十分に可能性がある。
しかし、JDDはJRAの所属馬も出走する交流重賞。競馬ファンなら当然知っているが、JRAと大井を含む地方競馬のレベル差は歴然であり、地方でのパフォーマンスがどれだけ優れていても中央の馬には完敗、という例は枚挙に暇がない。
確かに、そのような状況でも勝つのではないかと期待するほど、ミックファイアのレースぶりは凄まじいものがある。地方競馬の雄として中央の強豪を蹴散らしてもおかしくはない。
しかし、今年に限っては「レベルが高すぎる」ともっぱらである。
まず、昨年の全日本2歳優駿の覇者で、サウジダービー3着、UAEダービー1着、ケンタッキーダービー6着と国内外で結果を出しているデルマソトガケ。UAEダービーからはC.ルメール騎手が手綱をとるあたり、その実力と期待値がうかがえる。まだ出走が決まってはいないが、出てくれば本命の一角となる。
武豊と「逃げ証明」
さらに5月の兵庫チャンピオンSを6馬身差で勝利したミトノオー。同馬は前走から武豊騎手が手綱をとり、圧倒的なパフォーマンスを見せている。3月の伏竜Sでは、東京ダービーでミックファイアに6馬身離された2着ヒーローコールに対し、5馬身差をつけている。
内容を見ると、この3頭のパフォーマンスや期待値は五分と言えるだろう。武豊にルメールとJRAのレジェンド騎手が騎乗する「ガチ感」もある。いかに強いといえどもミックファイアがそう簡単に勝てる相手ではないだろう。
特に注意すべきはミトノオーか。直近3走をいずれも逃げて勝利し、そのスピードは世代でも抜きん出ている。同じく逃げ先行のミックファイアがスピードについて行けるのか、さらに逃げの上手い武豊騎手という点も非常に気になるところだ。
これほど盛り上がるJDDは初めてとの声もある。今からレースが非常に楽しみだ。
(文/山田倫)