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宝塚記念「天皇賞→有馬で年度代表馬は危険」イクイノックスを襲う「不快データ」の数々とは

発行責任者 (K.ono)

 25日、夏のグランプリ・宝塚記念(G1)で断然の主役を張るのが昨年の年度代表馬・イクイノックス(牡4)だ。

「どんな勝ち方をするか」という存在

 昨年の天皇賞・秋、有馬記念、そして今年のドバイシーマクラシックとG1競走を連勝中。そのいずれもが凄まじいパフォーマンスだっただけに、主役になるのは当然と言える。

 今回の宝塚記念のメンバーを見ても“同格”はいない。もはや「どんな勝ち方をするか」という存在だが、今回のレースは不安材料も(重箱の隅をつつく程度では)存在する。

 まず、初の関西遠征という点だが、ここに関しては事前に栗東に滞在しある程度はクリアしているところだろう。陣営もその点は織り込み済みで、年度代表馬として恥ずかしくないレースを見せる準備は整っている。この時期の阪神競馬場は重い馬場になりがちだが、キタサンブラック産駒は渋った馬場での成績は決して悪くはない。

 一方で嫌なデータもある。宝塚記念はこれまでもキタサンブラックやブエナビスタが敗れた舞台ではあるが、他にも「同じような馬」が敗退した歴史がある。

シンボリクリスエス、エフフォーリア

「2003年の宝塚記念では、イクイノックスと同じく前年の天皇賞・秋と有馬記念を制し年度代表馬になったシンボリクリスエスが5着に敗れています。2022年のエフフォーリアも前年同じレースを勝っていますが、6着。もちろん別の馬ですし、エフフォーリアなどは早熟傾向も強かったので単純比較はできませんが、嫌なデータではあります。

また『ドバイシーマクラシック勝利後初の国内戦』で見ても、あまり良いデータはありません。ジェンティルドンナは2014年で9着、昨年のシャフリヤールも英国遠征を挟んで天皇賞・秋5着と結果は出せませんでした。遠征の疲れなどはやはり無視できません。

もちろん、こう語っている私も、イクイノックスの負ける姿はなかなか想像がつかないんですが(笑)。中長距離G1の中でもとりわけ変わった結果になりやすいレースではあるので、少しのマイナス情報も逃さないようにはしたいですね」(競馬誌ライター)

 ライバルのジャスティンパレス、そしてジェラルディーナもここを大目標にしている。イクイノックスからすれば格下だが、彼にとってここは「通過点」。ここが「一世一代の勝負」の馬たちの意地にも期待したいところだ。
(文/山田倫)