画像は「江戸村のとくぞう」
25日、宝塚記念(G1)が阪神競馬場で開催され、1番人気イクイノックスが大外一気の末脚で勝利を収めた。
勝ち馬よりも注目された
イクイノックスは道中後方で進み、最終コーナーでは大外に持ち出した。かなり苦しいレースになると思われたが、最後には“世界一”の脚を炸裂させライバルたちをねじ伏せた。
厳しい展開になったものの、さすがはイクイノックス、ワールドクラスの走りを見せたと言っていい。波乱も少なくない宝塚記念を勝利したことは、今後に向けても非常に大きい。
そして、ある意味勝ち馬よりも注目されたのが、2着のスルーセブンシーズ(牝5)だ。10番人気と低評価だったが、最後の最後で鋭い伸びア脚を見せた。
同馬は2009年の宝塚記念(G1)を制したドリームジャーニーの仔であり、鞍上が池添謙一騎手も同じである。今回のレースに初富士S、中山牝馬Sを連勝して挑んだ。
重賞勝利こそあるものの、これまでG1では鳴かず飛ばずだけに低評価を受けていた。しかし、そこはグランプリ7勝の池添騎手、そう簡単には敗れない。
ラスト200mで爆発
道中を最後方で進んだスルーセブンシーズ。その前にはイクイノックス、ジェラルディーナ、ジャスティンパレスと有力馬がいて、しっかりとマーク。3角手前でジェラルディーナ、イクイノックスが動いても焦らず、4コーナーでも後方のポジションを保った。
直線では馬群の真ん中を縫うように進み、ラスト200mで爆発。馬群を突き抜け、外から先んじて抜けたイクイノックスを脅かした。
凱旋門賞に予備登録
しかし、わずかにクビ差及ばず。池添騎手も「悔しかった。返し馬の時から具合の良さは感じていた」「切り替えたところだけだと悔いが残りますね。ドリームジャーニーの子で勝ちたかった」と感情を露わにするのも当然の内容だった。
しかし「さすがは池添」「グランプリ男が魅せてくれた」「池添が勝つと一瞬思った」と今回の騎乗には絶賛の嵐。今年は勝利数が思わしくないが、勝負強さは相変わらずだ。
「すでに秋の仏・凱旋門賞に予備登録しています。陣営としても才能を感じているのでしょう。今回の宝塚記念で能力が証明されましたね。負けはしましたが相手は“世界一”ですから。
スルーセブンシーズの父、ドリームジャーニーの弟は凱旋門賞2着2回のオルフェーヴルです。血統的にも夢がありますし、祖父のステイゴールドは、2010年の凱旋門賞2着のナカヤマフェスタも。凱旋門賞に適した血統です。これは楽しみになってきました」(競馬ライター)
上がり最速でイクイノックスを脅かした事実は大きい。秋の仏での躍動が今から楽しみだ。
(文/城島信二)