画像は「川田将雅公式サイト」より
JRAで最近、G1レースのたびに注目をされている「ジョッキーカメラ」。
導入の経緯
複数の有力騎手の帽子にカメラを搭載し、レースを「ジョッキー目線」で見られるということで好評を博している取り組みだ。その臨場感はかつてないものとしてファンに受け入れられている。
このジョッキーカメラ導入の経緯について「ギャロップ」(サンケイスポーツ)が詳報をしている。JRAの鶴岡史隆上席調査役を迎え、導入の経緯や技術について触れている。
記事で触れられている導入の経緯だが、日本で話が持ち上がったのが5年前だという。そして、そのきっかけを作ったのが川田将雅騎手だったようだ。
海外では以前から用いられていたが、川田騎手がイギリス遠征でジョッキーカメラをつけて騎乗したことで「日本でも導入してはどうか」という話になったという。そこから数年をかけて今年の春G1から導入に至ったそうだ。
200万回超再生の桜花賞リバティアイランド
ジョッキーカメラが導入されたのは今年の桜花賞。勝利馬はリバティアイランドで圧倒的な末脚を披露したレースだ。その反響はすさまじく動画再生回数は200万回超。リバティアイランドに騎乗していたのが川田騎手なのだから、言い出しっぺが“実行”したということになる。
JRA騎手としてこれまでもさまざまな提言をしてきた川田騎手。先日のオークスでは「ゲートに入った際の歓声を我慢する協力をいただきたい」とファンにお願いし、有益な提案として称賛された。
そして今回は、ファンに好評な「ジョッキーカメラ」の導入。川田騎手の言動は時に賛否もあるが、競馬界を思っての発言が多いのは事実だろう。
さらに、導入を決定づけたのは横山典弘騎手だという。昨年の日本ダービー、マテンロウオリオンに騎乗した横山騎手だが、実はこの時にヘルメットをつけていたようだ。
そして「勝ったドウデュースの加速していく最高の映像が撮れていた」というのだ。
『プロデューサー』としての才覚
「JRAも導入を渋った部分もあったようですが、川田騎手と横山騎手が大きく貢献していたんですね。
ジョッキーカメラはレース後の様子も見ることが可能ですが、それも川田騎手の提案だそう。完全に『プロデューサー』としての才覚を発揮していますね(笑)。
武豊騎手も『カメラの着用はまったく気にならない』『今後もやるのはいい』と前向きなコメント。JRAの新たな風物詩として定着するかと思われます」(競馬ライター)
今後はG1レース以外、ならびにレース以外の本馬場入場なども出す意向もあるという。
川田騎手発案のジョッキーカメラだが、可能性は無限に拡がっていきそうだ。
「夏だと新潟“千直”のアイビスサマーダッシュがありますので、そのジョッキーカメラはぜひとも見てみたいですね。同レースとは時に外の馬が一気にインコースに移動することもあるレース。ド迫力の映像が期待できます。
通常のカメラでは見られないジョッキーの意図やレース展開、仕掛けなどレースの理解、今後の予想にも活かせる映像ですし、使い方も多岐にわたりますね。今後も重要なサービスになりそうです」(同)
今後もジョッキーカメラに注目だ。
(文/田中陽太郎)