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石井武秀容疑者「悪いのは通報した被害者?」文春のわいせつ教師記事に疑問の声多数

発行責任者 (K.ono)

 5月21日に自ら命を絶った練馬区立のA中学校教諭・石井武秀容疑者に関する記事に注目が集まっています。

分け隔てなく本当に誰からも愛された先生

 石井容疑者は18日に教え子の男子生徒への強制わいせつ罪で逮捕され、釈放された直後に自ら命を絶ちました。「文春オンライン」(文藝春秋)はこの件に関し【「先生がいなかったら今、自分はいない」強制わいせつで逮捕され命を絶った練馬中学教師「本当の顔」】という記事を掲載しています。

 記事では、石井容疑者は「男女問わず、分け隔てなく本当に誰からも愛された先生」「頭を触ったり、肩を組んだり。時には尻を叩いたり、股間を触ることもあったけど、よくある男子同士のじゃれ合い」と元教え子のコメントを載せ、逮捕後にも複数の生徒や保護者が心境を気遣う電話やメッセージを石井容疑者の携帯に寄せていたと言います。

 内容を読むとかなり慕われていた教師ではあったようです。また、通報された状況などから「そもそもわいせつ目的ではなかったのでは」とのニュアンスも感じられます。

 石井容疑者は自身のインスタグラムに謝罪文を掲載し、その後亡くなりました。世間からは「過度に擁護しすぎではないか」と、記事への疑問が渦巻いています。

 石井容疑者は自宅に休日も生徒たちを自宅に招いたり、愛車に生徒たちを乗せてお台場や江の島にドライブすることもあったようですが、それがまず「教師の仕事ではない」とする意見もあり、そもそも「身体、ましてや股間を触っていい理由はない」というのが大方の見解としては多い状況です。

「強制わいせつの正当化」とも捉えられかねない

 教え子たちにとっては「いい先生」だったのかもしれませんが、それは言い方を変えれば生徒たちにとって「都合のいい先生」だったとも表現できてしまいます。「文春」に切り取られた彼らの発言は「強制わいせつの正当化」とも捉えられかねないものがあります。今回の記事は「あんなにいい人なんだから、強制わいせつ程度で」というようなニュアンスにもつながる危険をはらんでいるようにも見受けられるのです。

 そして、石井容疑者を擁護していた人たちが、今回の事件の被害者を不必要に憎む可能性すらも生み出しかねません。

 メディア記事の影響力は凄まじいものがありますが、あくまでも事件は当事者の人々のものであり、メディアが裁くことはできません。

 今回の石井容疑者が「股間を触った」という事実は揺るがないようですし、必要以上の擁護は被害者を苦しめるだけなのではないでしょうか。
(文/田中陽太郎)