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小咲のの「奴隷契約書」事務所を告発も「地下アイドル事情」でどっちもどっち?

発行責任者 (K.ono)

 26日の「文春オンライン」(文藝春秋)で、地下アイドルの女性が顔出しで所属事務所の“ブラック”を告発しています。

契約書に「損害賠償」も

 告発したのは、ライブアイドル系の芸能事務所「FreeK-Laboratory(フリークラボラトリー)」のアイドルグループ「ネコプラ」に所属していた小咲ののさん。小咲さんは同事務所と結んだ契約書、誓約書を公開し、「契約を解除するには契約満了の120日前に申告が必要」「遅刻、虚偽の発言があった場合はギャラの停止や減額、損害賠償」「男性との交際は禁止。過去のプライベート画像が流出した際は本人だけでなく、関係者も処罰、損害賠償」などという厳しい内容を紹介しています。損害賠償は200万円以上ともされるとか。

 他の事務所と比較してあまりにも厳しすぎる契約ですが、さらに活動はブラック労働そのもの。帰りは常に終電、疲労骨折でも完全オフが許されなかったり、実父の一周忌にもまともに参列できず、精神的に参っても同事務所社長は「いま辞めたら賠償金が発生する」と語り、別のグループに所属させるというもの。

 業界内でも「さすがに厳しすぎる」という声が相次いでいますが「地下アイドルって大なり小なりそういうもの」「記事全体を読むとこの子の覚悟のなさも少々感じられる」という冷めた意見もないわけではありません。

 実際、同事務所の社長は「小咲さんには問題があった」「現場から不真面目だとかダンスをやらないという報告」「大阪の回転寿司屋で小咲がお客さんと2人で食事。その後事実と認めるも、その後一時行方不明になった」など、真っ向から反論しています。契約書も「口で約束したとしても『そんなこと言ってません』って言うわけです。今までそうやって何回も裏切られてきてますから。じゃあ一応誓約書として、こういう文章を書いてもらいたいんだけど大丈夫ですか、ということ」とし、法的根拠のなさは理解しているとのことです。

アイドルに簡単になれる時代

 今回の件は、どちらに問題があったのでしょうか。芸能関連の記者に聞きました。

「ライブアイドルや地下アイドルはなれるハードルは低く、特段プロになる覚悟がなくても所属できたり、事務所の管理もずさんだったりする。こまごましたトラブルはいくつもある。

今は誰でもアイドルになれる時代と言っても過言ではないけど、その分契約の整備がされていなかったり、結果的に奴隷契約みたいになることは茶飯事。AKBや坂道グループへの憧れがそうさせるんだろうけど、あっちは規模も屋台骨も違うからね。ブラック労働やきつい契約は擁護のしようがないけど、プロのアイドルになるっていう気持ちなくやれる甘い世界でもないだろう」

 どっちもどっち、ということでしょうか。
(文/堂島俊雄)