時事

安倍晋三死去に「電話でクレーム多発」奈良医大への迷惑行為の裏にある「公正」の歪み

発行責任者 (K.ono)

 8日、奈良県奈良市で男に銃で襲われ亡くなった安倍晋三元内閣総理大臣。

「クレーム」が多数届いている

 奈良市内の街頭演説で狙撃された安倍氏は、その後同県橿原市にある奈良県立医科大学附属病院にドクターヘリで救急搬送。手当を受けましたが亡くなるに至りました。

 銃撃された時点で非常に厳しい状態で、同病院もできる限りの処置を施した結果であることは疑いようがありません。

 しかし、この病院に対し、なぜか「クレーム」が多数届いているとネット上で騒がれているのです。

 すでにネット上ではクレーム電話を入れる人に対する批判が渦巻いています。「奈良医大にクレーム電話殺到してるらしいけど!!!やってること間違ってるからなぁ!!!!!!」「奈良医大にクレーム電話って……日本人こんなにバカばっかだったの??考える脳味噌ないの」「そこで働く人たちを、あなたの感情のはけ口にしないで下さい」など、厳しい意見が相次いでいます。

 今回のような事態がなぜ起こってしまうのか。

があまりに理不尽に殺された

「安倍さんの出来事は歴史的な大事件であり、衝撃的な『銃撃映像』も相まって世間の多くの人たちに多大なるショックを与えています。

そんな状況下でやり場のない思いや恐怖を抱える人もまた多いはずです。そんな感情を外に発散して逃避しようとするのも人間の性です。もちろんそれをグッとこらえることが社会生活には必要ですが、そうできない人もいるということですね。

また、政治思想は別として明確に悪事に手を染めたわけでもない安倍さんがあまりに理不尽に殺されたことで『いつか自分も同じような目にあうのではないか』と思う人も、実は少なくありません。『悪いことをしたから悪いことが起こる』『良い行いをしたから良いことが起こる』ではなく『悪いことをしていないのに悪いことが起こる』という出来事に人は拒否反応を示すものです。これを『公正世界仮説』と言いますが、そうした思考がクレームに向かわせているのではないかと」(メディア関係/男性)

 しかし、クレーム電話はお門違いもいいところ。問答無用でやめていただきたいものです。
(文/谷口譲二)