20日には京都競馬場でダートの1900m戦平安S(G3)が開催される。
ウシュバテソーロに食い下がった馬
G3だがダートの強豪が集うレースということで例年注目されているが、今年は川田将雅の2番グロリアムンディ、11番の岩田望来騎乗ハギノアレグリアスが人気を分け合っている。しかし、いずれも3倍台(20日午前6時時点)で混戦模様であることがうかがえる。
上記2頭は前走の地方交流重賞を勝利しており、その勢いを買われている様子。いずれもリーディングトップ3の2人が騎乗している事実もやはり大きいだろう。
ただ、今回のメンバーは交流重賞含めG1では実績のない馬が中心だ。ここから帝王賞などで上位に食い込み、ウシュバテソーロら強豪と互角に戦えるのかと言えば、疑問が残る。
そんな中、昨年唯一そのウシュバテソーロに食い下がった馬がいる。武豊騎乗のノットゥルノだ。
ハーツクライ産駒の4歳馬であるノットゥルノ。昨年のジャパンダートダービーを勝利し、年の瀬の東京大賞典でも、ウシュバテソーロに1馬身3/4差こそつけられたが2着を確保。メイショウハリオら強豪らには先着している。
現状実績ではNo.1のノットゥルノだが、なぜか現状4番人気。今年初戦の川崎記念を8着に敗れたこと、何より初の59.0キロという斤量の影響が大きいと考えられる。
ただ、もともと左回りは不得手な戦績であり、川崎記念はコースを小回りで1周以上する特殊なコース。得意の右回りでは勝率50%、連対率100%を誇る。信頼に足る情報と言えるだろう。これまで走ってきた距離も1800~2000m中心であり、当然ながら距離不安もない。
50代のジョッキーで初のJRAダート重賞制覇
2020年に同レースを制覇したオメガパフュームは59.0キロでの出走だった。G1競走5勝の名馬と比較するのはやや酷かもしれないが、必ずしも斤量で絶望する必要もないのだ。
そして、鞍上の武豊騎手にも「大記録」がかかる。現場の記者も期待を口にする。
「50代のジョッキーで初のJRAダート重賞制覇、ですね。過去に1人もいないんです。そもそも何をやっても記録ずくめになる状況ではありますが……。
最終追い切りの動きも抜群ですし、ここをしっかり勝ちに来たのがうかがえます。唯一の心配は『右回り巧者』なのか『大井競馬場巧者』なのか、というところくらいでしょうか……」
斤量も不安も吹き飛ばす激走に注目だ。
(文/山井陽太郎)
【平安S(G3)予想】
三連単フォーメーション
5-2.11.15-2.10.11.12.15.