28日に行われた日本ダービー(G1)。
武豊騎手の騎乗に対する疑問
レースは4番人気タスティエーラが抜け出しての勝利。D.レーン騎手の初ダービー制覇ということで大いに話題になった。2着に1番人気のソールオリエンス、3着には6番人気ハーツコンチェルトが食い込んだ。
大接戦となったレースだが、一方でスタート直後にドゥラエレーデの坂井瑠星騎手が落馬、ゴール直後にはC.ルメール騎手のスキルヴィングが倒れ込んでしまい、そのまま急性心不全で死去するなど、波乱と悲劇にまみれたダービーという印象もついてしまった。
そんな中、高い人気を保持しながら8着に敗れた3番人気ファントムシーフにもにわかに注目が集まっている。主に鞍上・武豊騎手の騎乗に対する疑問の声が多くなっているのだ。
ファントムシーフはスタートやや出遅れ気味で、道中12番手のポジションに収まり、4コーナー時点でも9番手と中団でのレースとなった。直線での伸びもイマイチで大きな見せ場もないままレースが終ってしまった印象だ。
武豊騎手も「ペースが遅かったからポジションを上げたかったが、もっといけばよかった」と後悔を口にする。もともと中団より前目のレースで掲示板を外してこなかったファントムシーフだが、今回は中団やや後ろでのレース。切れ味で勝る1番人気ソールオリエンスの後ろになってしまったのは、やはり致命的だったと言わざるを得ない。
武豊騎手は今回テン乗り
「スタートで後手を踏んだことや外を回らざるを得ない状況など要因はいろいろありますが、3着に入ったハーツコンチェルトの松山弘平騎手がペースを読んで向こう正面で早々に捲っていったのを見ると、やはり動くべきだったとは言えるでしょう。あそこで完全に明暗が分かれましたね。
また、武豊騎手は今回テン乗りでした。レース中での癖も知らない部分もあり、積極的にレースができなかった面もあるでしょう。レーン騎手もテン乗りでしたが、こちらは非常に器用な立ち回りでした。テン乗りでの明暗もまた、分かれたと言えるでしょう」(競馬誌ライター)
波乱が多かった日本ダービーだが、武豊騎手としても悔しいレースとなってしまった。
武豊騎手は今週末の安田記念(G1)で大阪杯制覇のジャックドールに騎乗。春の東京開催最後のG1でリベンジを果たしたいところだ。
(文/城島信二郎)