時事

新庄剛志「薬物使用」報道の中身がひどい…当時のドーピング状況に照らすと

発行責任者 (K.ono)

 北海道日本ハムファイターズの監督をつとめる新庄剛志氏に関し、過去の「ドーピング陽性」が報じられた。

2006年より始まったドーピング検査

「文春オンライン」(文藝春秋)によれば、2006年より始まったドーピング検査で、日本ハムの選手の中でくじ引きで検査されることが決まった新庄氏から覚醒剤成分が検出されたという。検査初年度は「日本野球機構(NPB)と選手会の間で、違反行為が見つかった場合も氏名非公表、罰則なしとの合意」があったが、覚醒剤成分ということで警察に連絡。新庄氏は疲労回復のためにサプリメントを飲んでおり、それにドーピング成分があったとのことである。

 当時の球団代表も「彼と話をするなかで、意識的に(ドーピングを)やっていたという印象は一切、受けなかった」と話しているようで、本当にたまたま成分が入っていた、というのが真実のようだ。

 今回の件に関し「何で今さら」という声は多くなっている。

ドーピングではない何かを示唆

「文春」の記事タイトルは【「メジャーの時から使っていた」日本ハム元球団代表が“新庄剛志の薬物使用”を認めた】であり、明らかにドーピングではない何かを示唆するタイトルである。さらに新庄氏が現在監督をやっているこのタイミングで2006年の話を持ち出すあたりにも「底意地が悪すぎる」との批判も多くなっている。

 日本ハムは現状最下位ではあるが、チーム状況や新庄氏の言動はやはり注目されている。そんな中でこうした記事が出れば「バズる」のは確かだが、やはり作為的なものを感じずにはいられないということか。

 実際に「警察が問題視しない」という事実は大きく、拡大解釈もいいところの今回の「文春」の記事は、やはり疑問を禁じ得ないものがある。
(文/田中陽太郎)