思考

コロナ後の海外旅行を100倍楽しく!支払いの「メンタルアカウンティング」とは

発行責任者 (K.ono)

 新型コロナウィルスの蔓延から2年が経ち、いよいよ海外旅行需要が高まっている。

 旅行好きの人にとっては悶々とした日々が続いていたが、それでもワクチンもある程度行き渡ったことで、外国に足を伸ばす人も増加傾向だ。

旅行を楽しくするメンタルアカウンティング

 コロナをまだ意識しながらも、せっかくの旅行だ。100%楽しんでもらいたい。そのちょっとした「工夫」をご紹介する。

 それが「メンタルアカウンティング」というものだ。

 この「メンタルアカウンティング」は心理学用語で「心の会計」といわれるものだ。スイスのベストセラー作家ロルフ・ドベリの「Think clearly」(サンマーク出版)ではその例として「車のスピード違反切符を取られた際、自分の『寄付用口座』で罰金を払うことで、イライラや怒りの心を抑制できる」という事例を出している。つまり、同じ罰金でも「どこから金が出るか」をコントロールし、気分や心情を大きく変えることができる、ということである。

 心が穏やかでいるために「自分を錯覚させる」こと、これが案外と人間の生活において意味があるように思える。つまりは「物事を前向きに捉える」ことだ。

「前向きになるべき」「ポジティブなほうがいい」という意見や教えは枚挙に暇がないが、一方で「そんな簡単になれないよ」というのも多くの意見だろう。しかし、そう思い込む努力ではなく「そうした状況を作ってしまう」というのは、多くの人にとっての盲点のはずだ。

ピークエンドの法則

 そしてこの「メンタルアカウンティング」は、旅行においても大いに使える。それが「支払い」である。

 人間の旅行には「ピーク・エンドの法則」という考えが成り立つ。これは「旅行の思い出は、旅行中一番楽しい瞬間と、旅行の最後しか記憶に残らない」というものだ。これはノーベル経済学賞を受賞した心理学者のダニエル・カーネマンが名付けた法則である。

 どんなに旅行が楽しくても、記憶に残るのはピークと終わりのみ……ピークというのはどうしようもなく別に悪いことではないが、重要なのは「エンド」だ。終わりよければすべてよし、にすべきということである。

 そのために必要なのが「ホテル代など旅行代金の前払い」である。もし素敵な旅行の最後が、無礼なホテルマンからの請求書と会計だとすればどうだろう。「ピーク・エンドの法則」からすれば、後々記憶に残るのは「一番楽しかった瞬間」と「無礼なホテルマン」ということになる。それは少々残念ではないだろうか。

 できる限り、ホテル代などは「前払い」をしたほうがいい。クレジットカード決済なら前払いもできるし、ホテル支払いでもお願いすれば先払いもできるはずだ。

 あくまでこれは法則であり“多数派の傾向”であって、万人に当てはまるものではない。しかし、旅行一つとってみても、こうしたひと工夫で気分も変わるということだ。こうした考えは生活のあらゆる部分にあり、ストレスなどは“状況づくり”によって変化することもある。これが「メンタルアカウンティング」の重要性だろう。

 同じ金を支払うなら気分よく。コロナ禍で旅行の特別感が増しているからこそ、さまざまな工夫をしてみてもいいのではないだろうか。
(文/山田剣史郎)